2019/10/05

後日談


 30年以上前、 スキーを履いても膝までもぐり、ワカンなら腰までもぐる3月初旬の新雪が降ったばかりの天元台。テレビニュースの遭難騒ぎを聞きつけた地元消防団団長は、団員の有志を召集し、何の装備も持たず現地に向った。 道中、当人が発見され 休憩先の旅館で休んでいるという知らせを聞いても、引き返すことはせず現地に向かい、残っていた救助隊や他の皆さんに労いの言葉をかけ贈り物を届けてきたらしい。

 心配して?駆けつけてくれた親戚やその他の人びとと現地や自宅に戻る途中で別れ、自宅に戻った時はすでに暗くなっていて、クタクタに疲れていたので一刻も早く床につきたかつたが、そういうことは許されず、「市会議員の自宅に消防団が集合してるので、酒ニ升用意して顔を出して欲しい 」行ってみると、好奇心の塊りのような人間どもが、矢継ぎ早にわけのわからないような質問をあびせるのであった。そういうこともそろそろ尽きた頃合いを見計らって、市会議員の親父が、「これから市政報告をする」という一言で、席を立つものが出始めたが、皆が出て行くまではでていくまいと気を使うこともなく、早々と自宅に戻った。

翌朝早く、当の司会議員が、「議会で質問されるかもしれないので、遭難して保護されるまでの経緯を教えてほしい」と訪ねてきた。自分に出来ることは、頼まれなくても率先してやるが、出来そうもないことや難しいことは丸投げし、それが解決したときはまるで自分の功労のように吹聴してまわる典型的な俗物 、それがこの議員だ。  

この日の装備 ;スキー板 ダイナスターイェテイ2代目 180cm
       ビンディング エメリーアルチュチュード
       兼用靴 ハンワグ エアウェイトパワー 91/2
       ストック レキマカルー3段
       ザック ICIオートルート