2019/06/07

ある記憶

 彼女が嫁ぎ先でアル中になり、離婚し、ひとりぐらしの父親の住む実家に戻ったのは、東日本大震災前だった。その後、パート先で脳梗塞か何かで斃れ、病院で亡くなった 。
 ある夏の日、周囲に誰もいない昼下がり、水の入った盥の中で触りっこしている小学校入学前の男女がいた。そのような記憶があるはずがない、妄想だなどという人もいるが、ある作家は生まれた時の記憶があると書いている。つい最近までは会話の内容まで覚えていたつもりだったが、ボケがはじまったのかもう何も記憶にございません。妄想は限りなく広がりますが、そんなことは意味のないことでございます。
 以上、短く拙い記憶でした。

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